通勤ショートショート

通勤の電車内では、様々な人間がいる。そして、様々な人間の顔を、ひとつひとつ覗くことができる。 ・化け物僕は、通勤電車に乗る際は、優先席の前に立っていることが多い。帰りの車内では、その優先席にいつも見かける人物が2人いた。一人は、巨漢の男性。肥満からであろう、着ているシャツは腹が捲りあがり、常にヘソが顔を出している。もう...

哀愁通勤

オジサンは、電車を利用して通勤をしている。オジサンは、小田急線と地下鉄を利用して通勤している。オジサンは、中央区日本橋に勤務しており、最寄り駅は人形町駅だ。通勤経路は、自宅の最寄駅を通る小田急線に乗車し、代々木上原を経由して地下鉄千代田線を利用し、日比谷駅で地下鉄日比谷線に乗り換えて、人形町で下車をする。今は、地下鉄と...

哀愁リーマン

49歳にもなれば、それなりに、一人前の大人として立派に生きている。少なくとも、自分の周りはそうだ。しかし、自分はそうでもない。いや、まったくない。典型的な、駄目なオジサンの話をする。オジサンは、オジサンになってから、他人の言葉遣いや応対にストレスを感じることが多くなった。仲の良い友人や知人同士であれば、大いに許容はする...