関東の工場夜景をあらかた撮ってみたら、日本にはどんな工場があるのだろうと調べてみると、
北は室蘭、東海には、富士、名古屋、四日市、関西には和歌山、姫路、
瀬戸内には岡山、広島、山口、香川、愛媛、九州は北九州、まだまだたくさんあった。
富士の製糸工場群は、よく夜中に一号バイパス越しに感動させられたものだ。
四日市も23号線から眺めることができた。
しかし、飛び切り、一際僕を魅了したのは、岡山の水島コンビナートと福山のJFE福山鋼管だった。
今は9月だけど、結局水島へは2度、福山へは4度挑戦した。
今回は水島について。
水島コンビナートは行政でいうと倉敷市にあった。
倉敷は岡山から西へ車で1時間ほど。
水島地域は倉敷駅から車で30分ほどだった。
初めて行った時は4月の後半、東京駅から夜行バスで早朝倉敷駅に到着し、
倉敷駅前でレンタカーを借りた。ホテルは水島コンビナート近くのスーパーホテルにした。
ホテルは水島臨海鉄道というローカル線の栄駅という駅の近くにあった。
撮影場所について事前に調べてみると、撮影禁止の場所が多かった。
最も撮りたい撮影ポイントはどうやら禁止区域ではなかったが、
墓地のすぐ横という肝試しのオマケがついていた。
マジでお化けが出たらどうすればよいかわからなかったが、
とりあえず思いついたのは物理的に攻撃するという、およそ愚にもつかない発想だった。
僕は倉敷のドンキで、ベレッタという往年の名銃であるモデルガンとBB弾を1パックゲットして、さあ来るな来やがれ、蜂の巣にしてやるゼと大いに虚勢を張って整えた。
さていざ撮りにいくぞと夜10時頃にホテルを出発した。
肝心の撮影スポットは地番はない。
倉敷市児島宇野津という。
調べておいた目的地付近のランドマークにナビを合わせた。
スーパーホテルからは車で20分くらい。
目印は国道430号線沿いのホテルアクロス(ラブホテル)
脇の坂道を上り、倉庫のような建物をぐるっと周り、裏手からまた墓地へ続く坂道を上がる。
墓地を周りきったところは車が止められるスペースとなる。
真っ暗ではない。水島コンビナートの明かりで多少周りは確認できる。
なるべく墓地を見ないようにする。ベレッタを腰に差す。
車を停めたあたりに舗装された脇道がある。そこを20mほど登ると開けた場所に出る。
その場所から水島コンビナート一帯を眺めることができる。
とにかく夢中でシャッターを切った。圧巻の景色に。(ううん、怖かったから)
レンズは中望遠一本しか使わなかったと思う。
光芒を出すよりも、全体を明るくなるべく画質を優先して撮った。
この時はほとんどf値は11、ISOは400、露出は±0、ホワイトバランスは覚えてない。
突然、後方の茂みからガサガサっと音がした。
我に返り後ろを振り向くが何も見えない。
その開けた場所は、山は肌が露出していて森ではない。
緑は地面に茂みがわずかにいくつかあるだけだ。
茂みに向かってベレッタを5発くらい威嚇射撃した。
急に怖くなった。そそくさと逃げるようにしてその場所を後にした。
懲りずに翌月も行ったけど。
この場所の近くにサノヤスドックという撮影場所がある。
そこは堤防になっている。夜釣りの人も沢山いて安心できる。
しかし、景観はこの墓地横とは比べ物にはならない。
今度行くなら日没寸前に行こうと思う。
夜中は怖くてオススメできない。