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なんとなく路面電車を撮りたくなった。
路面電車であれば、都電や世田谷線に江ノ電がいつでも撮りにいけるけれど、街の中をせせこましく走る路面電車ではなく、広い車道の中を堂々と走る路面電車を撮りたかった。
JR豊橋駅のロータリーに陣取り夕暮れ頃から撮り始めた。
路面電車である市電を乗り回すことも考えたが、アチコチ動き回って撮る気にもなれずに同じ場所からずっと撮り続けていた。
日曜の豊橋は人気も多くなく、むしろ寂しい様子であった。
僕が路面電車に初めて乗ったのは鹿児島だった。おそらく小学生の時だったと思う。
祖父母が鹿児島におり、夏休みになると必ず遊びにいっていた。
西鹿児島駅(現在は鹿児島中央駅)あたりから祖父母の家のある谷山まで路面電車を利用していた。確か電停と呼ばれていた気がする。
天文館や山形屋、郡元、鴨池、涙橋、ボンヤリと憶えている。