十三大橋

昨年の11月、チャンユミと大阪へ行ってきた。何となく阪急の写真を撮りたくなった。
十三大橋をバンバン阪急が走るってんで、昼間っから淀川の河川敷をウロウロしていた。

十三大橋は、梅田と十三の街の間を流れる淀川に架けられていた。
僕らは右岸の十三側にいた。街並みは東京でいうと京浜の工業地区に似ていた。

宿は、阪神電車の杭瀬という駅の側に決めた。
杭瀬は尼崎一体にあり、ひしめきあう家屋や低層のマンションや年季の入った商店街がいかにも昭和の工業地帯のようだった。

前述の通り昼間っから、走り去る阪急電車を高架の下から遠慮なく撮っていた。
すると、メガネを掛けた真面目そ〜なガリ勉塾講師のよ〜な青年と、ほっそ〜い華奢で割とキレイな女の子がやってきた。女の子はちょいとロリータのような服装をしていて、どうみても塾講師とはミスマッチのような感じがした。
すると塾講師はバッグから一眼カメラを取り出し、女の子はポーズを取り出した。
撮影を始めたのである。
塾講師が可愛らしいロリータを、小汚い河川敷の高架下で写真を撮っているのである。
僕には全く理解ができなかった。
どうしてこんな場所で撮るのだろう。
ロリロリしたスタジオの一室でも借りて撮ればいいと思う。あるいはアキバのような場所で撮れば良いと思う。もしくはキレイな芝生の土手で、可愛らしい彼女の顔や表情を日光や夕焼けに照らして撮ればいいではないか!その方が全体的に映えるし、彼女が活きるではないか!
どうしてわざわざこんな場所を選ぶのかわからない。
まあまあ、俺の理解なんて不要だろう。

色んな場所へ撮影に行くとたまにこのような人達に出くわすことがある。
以前に河原でコスプレをしたグループが撮影をしていた。
紅葉の咲き乱れる渓谷を背景に、LEDビームソードや小道具を持ってポーズを決めているのである。

まったく意味がわからない。
コスプレでもロリータでもSMでも何でも良いとは思う。
ただもう少し考えた方が良いと思う。物の組合わせは非常に大切だろう。
彼らはみたらし団子とコーラを並べているようなものだ。

モデルは金を貰っているだろうから黙って付いていき仕事をすればいいだろう。
しかし撮る側の目的がわからない。
そもそもSNSなどで募るのだろうか?出会いを求めているのだろうか?単純に趣味なのだろうか?移動中とか会話とかするのか?飯とかどうするんだ?
まあ、お前が気にすることでもない。

人のことだから放っておけばいいじゃないか。人それぞれでいいじゃないか。
そうなのか?そういうものか!?

金を払って一日どこの誰だかもわからない女と過ごすそのエネルギーや動機は全く理解できないと言ったところで、東京からわざわざ大阪まで来て、走りゆく阪急電車の写真をひたすら撮っているだけの俺よりかは数倍マシ。