僕らは今度は呉にきた。
潜水艦の撮影と、呉湾内をめぐる艦船クルーズに乗るという目的で行って来た。
まずは潜水艦を撮りにいった。
撮影ポイントは、どうやら呉市内のアレイからすこじま公園という場所から撮れるらしい。
アレイからすこじま公園は、呉の中心部から車で10分程度で行くことができた。
公園の近くに駐車場がある。駐車場は旧海軍技手養成所跡地で、駐車料金は無料だった。
公園までは坂道を下って行くことができる。僕らが行ったのは10月の初めだったが、とても暑くて非常に汗をかいた。
護岸一体が公園になっている。護岸の柵に寄って撮ることができる。
潜水艦も良いが、軍港に隣接している日鉄呉製鉄所もとても魅力的だ。
自衛艦や造船所に製鉄所がセットなんて写真を撮るには最強の環境だと思う。
ちなみに中堅メーカーの神田造船所も市の外れにあり、むきだしの浮きドックというのだろうか、造船を間近で眺めることができる。
ひとしきり潜水艦を撮った後は、市街地へ戻り呉中央桟橋ターミナルへ向かった。
艦船クルーズの手続きをしに行った。
ターミナルの1Fはフェリーのチケット売り場になっており、広島や松山へ行く乗船ターミナルとなっていた。今回は無理だったが、今度は松山までフェリー行こうと考えている。
時間をつぶすがてら、ターミナルに隣接している商業施設で遅い昼食をとった。
1Fのフロアの一角に艦船クルーズの受付所があった。受付所に迷彩服を纏った自衛官の方がやってきた。
受付開始は乗船の何分前だったか忘れたが、気がつくと結構な人数の人達が並び始めていた。
僕は予めネットで予約をしており、並ぶ必要があったのかどうかはわからなかったが、名前を伝えると乗船券を渡してくれた。とても気さくな係の方であった。受付もやはり「任務」というものなのであろうか、僕はどうでも良い事を考えながら船に向かう人達の後をついて桟橋へ向かった。
2階造りの船は屋上がデッキになっていた。僕らはデッキにあがり適当なスペースに腰をかけた。船が出ると湾内に浮かぶ護衛艦や潜水艦の種類や歴史などを、自衛官のOBの方がガイドをしてくれた。
自衛官の話し方はとても特徴的で、大きな抑揚があり、説明は端的にかつ簡潔で非常にわかりやすかった。それは35分間の乗船中全く変わることがなかった。
限られた時間で無駄なく伝達する必要があるのは自衛隊だけではないが、その徹底ぶりは、軍事組織というものの一端が垣間見えたような気がした。
日没に合わせて、各艦の旭日旗の降納がおこなわれる。
降納に合わせて、君が代のラッパが湾内に鳴り響いた。
尚、僕の心に響いたかどうかは、、、憶えていない。
呉での撮影を終えて、日が沈んだのを見計らい僕らは移動した。
歴史の見える丘という小さな公園へ移動した。車で10分くらいであろう。
その丘からはJMUのドックが一望できた。
撮るのは公園からではなく、公園に掛かっている歩道橋の端からドックに寄って撮るのが良いだろう。
国道沿いに車を停める場所はない。公園の裏手に路上駐車するしかないだろう。
呉を最後に今回の旅は終わった。
終わったとなると途端に僕のテンションは下がった。
スイッチが完全に切れた。東京までの長大な距離と膨大な時間の長さが苦痛となって重くのしかかってきた。
神戸で一泊し、あくる日に伊丹で飛行機を撮影したが惨憺たるものだった。
今年こそはまたチャレンジしたい。去年よりは多少カメラを理解した。もう少しマシな画が撮れそうな気がする。(気がする)