one day in autumn



車で40分くらい走ったであろうか、有名な大きな公園がある。
シーズンとあって多くの人が季節を楽しんでいるようだった。
特に銀杏が有名で、銀杏並木は黄金色のトンネルのようだった。

何となく銀杏を撮り始めるのだがどうも上手く撮ることができない。
アレやコレや歩き回って撮ってみるもののどの写真もパッとしない。
やっぱ紅葉とかオレのセンスじゃね〜し
などとドドド素人が一丁前に文句を垂れるのである。

飽きてしまった僕はベンチに座り何をするでもなく座って並木道を行き交う人達をボンヤリと眺めていた。
ユミちゃんはどこか別の場所で夢中になって写真を撮っていた。

手持ち無沙汰になった僕はベンチに座りながら徐にカメラを構えてファインダーを覗いてみた。
するとどうだろう、たまたま装着していたレンズの距離が丁度良く、自分に好ましい構図に収まるのである。
これだと閃いた僕は、夢中でシャッターを切った。
犬を連れて歩く夫婦、銀杏に飛び跳ねる子供、カメラを構える女性、いくらでも写真のネタはあった。明るさやシャッタースピードの調整をシドロモドロとしているうちに対象達は去っていく。無論どの写真もボツとなっていく。
辛うじて何枚か撮ることができたが、僕は思い知った。
紅葉だ何だとバカにしていたが、それらを満足に撮ることもできない野郎が対象を選ぶなどとは100万年早かったと。
すみませんでした、またひとつ勉強させていただきました。