丹波のみち

7月29日(日)

前回の続き。

朝、目が覚めると眩しい光が部屋に差していた。
どうやら台風は去ったようだった。

この日は桑名へ戻る。
予定では山陰本線で京都まで出て、木津から亀山経由で行く関西本線ルートを考えていた。

9時頃にチェックアウトをして、香住の駅までトボトボと歩いた。
夏の日差しが容赦なく肌を灼きつけた。
日本海独特のひどく湿った空気が、体に重く重く圧し掛かってくるように感じた。
まだ宿を出たばかりなのに、自販機を見つけると暑さに耐えきれず早速ジュースを買った。
人は見かけなかった。車が一台通り過ぎた。街は静かだった。
波の音がよく聞こえた。潮風のにおいがした。

駅に着くと、何人かの人が改札で駅員と話し込んでいた。
掲示板に知らせ書きが貼ってあった。台風の影響による運行内容だった。
台風の影響で山陰本線は一部不通とあった。復旧は未定。
電光掲示板にも同じような内容のテキストが右から左へと流れていた。
変わるはずもない内容のそれを、僕は暫く眺めていた。

駅員に復旧について尋ねると、おそらく復旧はするだろうが、それは早くて昼過ぎとのことだった。
復旧するには、安全確認の為に試運転をしなければならないとのことで、
この長大な山陰本線を試運転するには、それなりの時間は尤も仕方のないことだった。

どうすることもできないので、気長に待つことにした。
幸い、広い待合室があり、そこで待機することにした。
冷房が効いていたのは助かった。

しかし時間を持て余しており、徐ろに椅子に横になったり、ゲームや読書をしたり、
ホームをウロウロしてみたり、駅の広場にドッカと座り込んでタバコを吸ったりと無為に過ごしていた。

14:00前だろうか、待ちに待った無骨号がやってきた。
ちなみに、城崎温泉までは非電化の為、電車ではなくディーゼル(列車)となる。

あらためて目指せ京都
京都までは、山陰本線で刻みながら向かう。

京都に着いたのは19時頃だった。
桑名に到着するのが遅くなるのを心配したチャントモが、南草津まで車で迎えにきてくれた。
桑名から新名神で1時間くらいだろうか。
とても助かった。

今回の旅鉄は台風で一時足止めを食らったが、目的地まで行けたという目標は達成された。
こうして僕は2018年の夏の狼煙をあげた。

だからもう年が開けたっちゅうねん!
ねん!​